学校百科事典構想

2009年4月 1日 (水)

1年の〆

バーベキューをしながら、異動する人、退職する大ボスを送る宴でした。
もちろん勤務時間終了後に開始。最後は校歌を合唱しながら玄関から送り出しました。
大ボスが退職するので、おそらくこのような催しはこれが最終会だと思われます。
いわゆる退職を祝う◯◯さんを囲む会のようなものは、うちの大ボスらしくないので、
例年通りのバーベキューで、ちょっといい食材を焼いて食べ、大ボスの構想をもじって
「学校百科事典」と題して、写真や職員からのメッセージをまとめたアルバムをプレゼントしました。PC上の学校百科事典のメニュー画面をコピーして大ボスに関係のある文面に加工して目次にしたり、遊び心を取り入れてアルバム作りを楽しませていただきました。
我が社のIT主任が、先日行われた地域の方とのお別れの会で流す映像を作ったのですが、これが、某放送局のプロフェッショナルをパロッた形式でした。職員みんなから愛されていたんだなあと思います。
私は、研究会関係でまだお会いする機会も、指導を受けるチャンスもあるのですが、学校はやはりその時々の構成メンバーで作るものなので、これで一区切りだと思っています。

明日から、新しいボスを迎えて、新しい1年が始まります。新しいボスや新しい相棒がやってきます。今度の8組はどんな子どもたちでしょう。楽しい1年にしたいと思います。

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2009年1月24日 (土)

研究発表/個人的な振り返り

「知の森へ。自ら学びとる子どもの育成。〜『学び』を学習材化し、『知』の生活化を図る学校百科事典の構築〜」をテーマ進めてきた二年間の研究のまとめの発表会を無事終えることができました。

これは、行政から指定を受けて研究に関する予算をいただくかわりに研究について外部に発表して還元する、という研究でした。正確な参会者の数はまだ知りませんが、会場の椅子の数から予測すると300人くらい参加者があったと思います。

一区切りとしての発表会を終えて、今、静かな満足感と達成感の中を漂っています。
異動してきて三年目ですが、この研究発表を終えて感じた職場の一体感は、三年間の中で一番大きいものだったと感じました。私自身は、過去何回かの発表後のような、終わったぁ!という弾けるような開放感に近い感情はあまりありません。今までやってきたことが地層のように重なっていて、その上に発表会での外部からの反応や人との出会いがあって、学校としても、職場としても、自分個人としても、ほんとうに実りの多い意味のある研究発表だったなあ、と、一夜たった今幸せな気分で振り返っています。

大ボスのヴィジョンあってのものですが、相棒副主任のITセンス、中ボスの気配りと私の3つが相乗効果を発揮したからうまくいったのだと思います。大ボスのヴィジョンを翻訳しながら具体的な実現方法を提案し、その結果をまとめて理論作りをするのが私の仕事で、もちろん苦しさもたくさんありましたが楽しい仕事でもありました。

先行する例がない研究だったので、内部的にも「わけわからない」という反応から始まり、わたしは常に説明する立場でした。これは世間に受け入れられるものなんだろうか、という不安が常にありました。そういう意味で、昨日の発表会で、外部からの意見を聞き、これからのことを考えると同時に今までの評価を肌で感じることができたので、私自身も職場の仲間も少し自信がもてたと思います。

コメンテーターとしてお招きした藤川大祐氏が、まとめてくださったことの一つに、「身近な情報は使える」ということがありました。ほんとに、まさに、わたしたちがやってきたことの成果はこの一言でまとめられると思いました。藤川氏との出会いは、もう10年以上前ですが当時から、楽しくて斬新な発想や実践に感動するだけでなく、どんなに忙しくても何かを実現するためにすべきことをはっきりさせて行動している姿勢(うまく表現できない..)を尊敬していましたが、昨日いただいたコメントに変わらぬ人柄を感じながら、今後への示唆を分かりやすく示していただいたことが嬉しかったです。昨日はかなわなかったのですが、もっとつっこんだ話をしてみたいと改めて思いました。

もう一人のコメンテーター牛山恵氏とは、打ち上げの宴席でお話することができました。日頃接している同業の先輩との話には出てこない、研究者としての生き方のようなものについて刺激のあるお話を聞くことができました。

また、年間講師として助言をいただいていた田近洵一氏の講評の中に、この提案は、単なるICT教育という提案ではなく学校を子どもの学びの文化の集大成の場にしようという校長さんの熱い提案なんだ、という言葉がありました。この言葉に、目から鱗、でした。わたしは目の前にあることだけを見つめ、学校を百科事典にするという構想を、実践で裏付けをとりながら、多くの人が納得する説明をつけて発信することにエネルギーを注いできたのですが、大ボスのもつ熱い思いと私の思いとは規模がまったく違ったのです。ヴィジョンというのは、強い思いがあってこそもてるのですね。大ボスが、いろんな発想ができるタイプの人間だということも大きいけれど、強い思いに新しい発想が結びついていることが、わたしも含めた周りを動かしてきたのだなあ、と思いました。
どんな分野になるかわからないけれど、自分の内からある思いが湧き上がった時(自覚した時?)に、わたしはわたしのヴィジョンを描くことができて、そこに向かって研究し始めたとしたら、それが、「わたしの研究」なのだなあと、学生時代に学んでおかなければいけないようなことを、今頃自覚することができました。

研究発表会を開くからには、たくさんのお客さんに集まってほしい、苦しいこともあったけれどやってよかった、と研究している当人たちが感じられるものにしたい、というのは今回の発表会についてのわたしのヴィジョンでした。これは、実現されたと思います。
発表会も研究も、わたしのために同僚にやってもらったことではないので、「きょうは、ありがとうございました」という挨拶をするのは違和感があって言いませんでした。2年間、わたしのつたない進め方に文句も言わずについてきてくれた同僚先輩に改めて感謝しています。このことは昨日うまく伝えられなかったので、月曜日の朝に伝えようと思います。

国語人としては、20分のプレゼンを作り、分かりやすい言葉で伝えるという目的を達成できたことも大きな収穫でした。また、公開協議会での生のやりとりは楽しく、刺激のあるものでした。

それと、この研究は予算との兼ね合いが影響する研究だったので、苦肉の策として、賞金の出る論文に応募していました。松下教育財団の論文の提出はこれからです。記憶が新鮮なうちにまとめてしまおう、と思います。夏にあるこちらの発表会は、持ち時間10分。これも今のうちに準備してしまった方が楽でしょう。

最後に、職場の実務的な力量の部分での振り返りも。
体育館の設備が古いので(舞台上のスクリーンなんて、一度下まで下ろして手で巻き上げて紐で縛るんです!!)お客さんをお待たせすることが多いのはしかたないのですが、電気とか暗幕とか、音量とか、マイクのスイッチとか、他にもいろいろ、指示がないと動かなかったり忘れている人がたくさんいました。やっぱりどこか他人事なんだなあ。毎年ある行事ではないので、運営面での反省をしっかりすることがあまりないことですが、働く姿勢に通じることのような気がします。

自分個人としては、今回のこの研究発表を通して、次に考えることがとてもはっきりしました。他の人に比べたらずいぶん遅いと思いますが、わたしはこの先どういう方向をめざしていくのか、いくつかの選択肢をもてた気がします。そのどこにスイッチするのか。明日から考えようと思いながら、気持ちよくよっぱらった夜でした。

メール、お花、ここへのコメントなどで今まで応援してくれたみなさん、ありがとうございました。
ここまで読んでくれた方にも感謝です。

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2009年1月10日 (土)

大詰め日記2 あとは微調整

8日。発表当日の資料を製本業者に渡し、こっちは完了。
職員の前でプレゼンの画面を見せながら1回目のリハーサル。
 
20分で、研究の全容を説明するのですが、一つの分野について説明するのなら、楽に入るのですが、
何しろ、学校全体に関する考えを変えよう、というところから始まっているという構想を伝えなければならないので、長くなってしまいます。
A4十数枚の原稿を書かなければいけない、と言われたら、苦しいなあ、と普通なら思うのに、
今回の発表原稿作りでは、時間さえかければ、どんどん書けるのです。
個人の研究ではなく、暗中模索だったけれどみんなで、実践もしながら2年間やってきたことの重みだと感じました。この研究を通して提案したいことを、いかにしてわかりやすく伝えるか、というのが、私の役割です。

わかっていたことですが、内容が多すぎて、早口になるので、伝わらない、というダメ出しをもらいました。画面を見る余裕もありませんでした。
話し言葉でつくったし、画面をつくってくれている同僚とは合わせて声に出しながら練習もしました。
でも、聴衆がいる広い空間で話すのはまったく違うということを体で感じました。言い回しがおかしく感じるところもありました。子どもに、話すことを指導するときに、さんざん頭では理解していたことですが、本番はどんな空間で、何人くらいを相手に、どのくらいの時間で、話すか、ということはとっても重要なんだな、と改めて感じました。

次のリハーサルは、13日。きょーいくいいんかいの人が来ます。8日のリハの後、9時まで職場で原稿のダイエットにとりかかりましたが、帰宅してからは集中力が続かず一晩では終わりませんでした。

9日。寝坊して遅刻ぎりぎりにすべりこむ。疲れている。5日に医者でもらった咳止め関係の薬を飲んでいるけれど、薬が切れるとぜんそくっぽい咳が出る。とにかく、今日一日。
子どもが帰った3時半頃から発表原稿の直しを再開し、先に帰る画面担当者に8割がた終わった原稿を渡し、3連休のどこかで合わせることを約束し、その後、6時すぎに発表原稿ダイエット完成。
ちょっと早口ぎみだけど、1分間に400字しゃべるとして、(ほんとうは300字くらいにするべきなんですが)20分で8000字。一般的なA4にうつと4枚と少しになりました。

実はこの研究発表に向けて、事務的なことの担当者を采配しなかったのは反省です。(事務室には事務主事さんがいるから、その方がやってくれるものと勝手に思い込んでいたのです)
結局、資料を入れるものはどうするか、とか、そういうことも12月上旬の職場の企画会議で提案し方向が決定していたので、事務主事さんが発注してくれると思っていたのですが、細かくチェックしたり相談したりする担当者がいなかったので、いろいろ不本意な状態になっています。
今時、区で使ってる封筒(茶色っていうか、あの事務用のです)に入れた、資料をもらう発表会なんて、うちの業界でもほとんどありません。。。。。クリーム色の封筒を買ってください、と頼んだら、却下されました。事務主事さんには、日頃お世話になっているし、大先輩なので「区で共同購入しているそれを使うのが筋だよ」と言われると、「はい、じゃあそうします。」と言うしかありませんでした。会議のあと、具体的にものを検討する担当者がいれば、こんなことにはならなかったなあ、と後悔。

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2009年1月 7日 (水)

研究日記大詰め1

5日9時。全体会議。
その後、発表会当日の掲示物などの準備。
午後から、各自公開授業の最終調整。
6日午後、研究紀要冊子の第2校が届く。大ボス、副主任と3人で目を通し、数カ所訂正。
14日にあがるとのこと。当日指導案集は、7日に搬入予定だったが、8日で大丈夫ということに。

発表原稿完成。プレゼン画面はアニメーションも入るすばらしいものができた。

さて、本日。朝一で、指導案の表記上の統一事項、製本業者搬入が8日になったことなど周知。
副主任とプレゼンの合わせ。おそらく原稿を削ることになるだろう。
自分の指導案最終調整。

明日から子どもを迎える準備。席決め、めあてカード用意。

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2008年12月20日 (土)

プレゼン

我が社の研究の概要を、1月23日の宣伝を兼ねてプレゼンしてきます。聞き手についての情報があまりないので、少し不安です。
以下、自分メモ
学校百科事典の構造
どのように作ってきたか
項目の洗い出し
記事作成入力の方法
システムの準備
育てたい子供の姿
研究の柱1234
実際の授業の例
これまでの成果と課題
今後の可能性
1月23日の宣伝

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2008年9月24日 (水)

コメントから学ぶ

休み明けでなんとなくはっきりしない頭と体で出勤した本日、校内研究日であった。
今までも時々書いているが、現在勤務している学校で取り組んでいる研究は、学校を百科事典にしてしまおう、という構想の実現である。簡単に言うと、ウィキペディアの子ども版を作って活用させようというようなものである。
紙では長期保存ができないので、子どもが自分たちが学んだことや調べた情報をデジタル化して校内のデータベースに保存する。それを閲覧したり、コメントをつけたりする機能のある、エンサイクロペディアシステムを作り、現在稼動しはじめている。

今日の、提案授業は、そのコメント機能を使ったものだった。
登録されている本の紹介記事を閲覧して、読みたいと思った本を読み、その記事にコメントをつける、という活動をするのである。
コメントがつくと単純に嬉しい。その数が増えるとまたまた嬉しい。これは、ワタシ自身が体験的に知っている感覚でもある。まずは、これが子どもの学習(記事を書こう、コメントしよう)の原動力になる。が、それを持続させて学習を広げるためにいろいろ考えてみた。

そこで、コメントを内容から分析。こんなことは、パソコン通信を発展させ一時代を築いてきたここの読者のみなさまには、当たり前のことかもしれないですけれど、自分の覚え書きということで。
コメントは、元記事に書かれている題材そのものに対するもの(本の紹介だったら、本そのものに関するもの)、元記事の書き手の見方や感じ方に対する共感や反対意見など、すでについたコメントに対するコメントなど派生的に生まれた内容、という3種類に分けられると思う。

エンサイクロペディアに触れはじめたばかりの子どもたちなので、まずは、とにかく体験させることが必要だけど、コメント機能を介して、価値の高い学びや活動が生まれるようなしかをしていきたい。ブログでよく見られるような、より新しい情報、正しい情報の提供、それを受けて記事の修正(もちろんそのことを明記して)お礼、というやりとりを、子どもが学習に関する内容で行えるようなイメージ。または、オフ会が生まれるコメントの過程のような、コメントがコメントを呼び派生的に行動を起こすようなやりとりのイメージ。

アーノルド=ローベルのがまくんかえるくんシリーズの中に「おちばはき」という物語がある。がまくんはかえるくんに内緒でかえるくんの家の落ち葉をはきに行き、かえるくんはがまくんに内緒でがまくんの家の落ち葉はきをしに行くというお話。エンサイクロペディアの記事やコメントし合うことが身近になっていれば、この物語の紹介の記事を読んで、そういえばどこそこの落ち葉がたくさん落ち始めてるよね→自分たちも落ち葉はきをしようか、などというコメントや行動が生まれるかもしれない。もちろん大人のシカケは必要ですけど。

このシステムは、少ない予算の中でやりくりして構築してもらったシステムで、使い始めて見ると、フリーワード検索ができない、などダメな部分がけっこうあったりします。そして、ただシステムを立ち上げるだけでなく、それを法律で定められた学習の中に位置づけ、自分から進んで学ぶ子どもを育てるためのものにしなければなりません。
ひょっとすると、今後の教育に影響を与えるかもしれない、くらいの研究発表になるかもしれないし、うまくいかないと、単なるイロもので終わってしまう。わたしは、そこに多大なエネルギーを注いでいるので、やっぱり何らかの形で後に残る(校内的にでもよい)ものにしたい。

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