5月9日(土)
GWに漕ぐためにとGranstreamに送ったカヤック。風邪(インフルだった疑惑濃厚/節々が痛くてぐだぐだだった)で漕げなくなったため預かっていてもらったので、それを回収しつつ「一人で漕ぐ」を実現するために早朝出発。
カヤックと一緒にテントも送ってあったので、1泊するか、日帰りにするかも自由です。3日前までは、天気予報でも良さげな感じだったし、10日(日)はGranstreamの試乗会が知内浜で行われているので、顔を出して帰ってもいいし、知内浜キャンプ場に宿泊することもできます。
琵琶湖は、何度も漕いでいるので、キャンプできる浜を2つは知っているし、電車の駅と浜が近いところもチェック済み。
ということで、フォールディングカヤックらしさを発揮する、というにはちっさいですが、初めて一人で漕ぐ自分にとってはジャストサイズな感じの環境です。
あとは、その場で考えよう、ということで、コースの候補はいくつか考えましたが行き当たりばったりでスタートしました。
先日の火打山ツアースキーの時、前日歓送迎会で、深夜まで飲んでいて、反省したばかりなのに、8日金曜日はパソコン通信時代に出会ったスキー仲間の飲み会に参加。最終パッキングは帰宅後にしてたら、またもや睡眠時間が3時間になってしまいました。
6時23分品川発の新幹線に乗り、京都からマキノへ。9時25分到着予定だったので、その後ショップまで歩いてカヤック受け取って、組み立てて、11時には出艇できると思っていました。
いつもは、乗り換え案内で調べた列車乗り継ぎを携帯の画面メモに保存するのですが、今回はなんとなく、手帳に要所の時刻をメモっただけでした。マキノまでのアクセスは米原回りと京都回りがあるのですが、最近米原経由ばかりだったこともあり、京都で大ポカをやってしまいました。8時41分京都発。サンダーバード(金沢まで行く快速)に乗らなくてはならなかったのですが、同時刻発車の普通の湖西線に乗ってしまったのです。車窓から小雨まじりの琵琶湖を眺めながら、先日漕いだコースを思い出したり、湖からアクセスできるスーパーマーケットをチェックしたり、旅のエッセンスを味わっていたのですが、途中であれ?もう9時20分だけど、まだ安曇川だ。。。。近江今津で乗り換えて25分にマキノ着のはず。まだ新旭も通過していないし、あと何駅かあるはず。。。。。と気付いた時にはすでに嫌な予感。
終点の近江今津のアナウンスには、マキノ方面への乗り換えの案内は一言もない。つまりは、きっと、いいタイミングでの列車はないってことなんだろうなあ、と受け入れ始めました。
この時点で、何パターンか考えていたコースのうち、前回艇トラブルでとりやめた一人漕ぎ用考えていた、海津〜長浜を一気に漕ぐコースに心は決まっていました。
20キロくらいあるし、湖上の風予報がサイトによっては4mの時間帯があったりするから、11時に漕ぎ始めても夕方ぎりぎり着、日没は18時47分だけど17時ごろには上陸したい。14時の時点でどのあたりまで漕ぎ進んでいるかで、長浜まで行くかどうか判断しようと思っていました。
乗っている列車が近江今津に着くのが9時50分。マキノまで行く次の列車は10時40分までない、ということがわかり、とりあえず終点で降りました。どうしよう。あと2駅なのに。どこかで時間をつぶそうと思い、とりあえず改札口まで降りてみました。ここで40分以上待っていると、なんだかんだで漕ぎ出しは1時近くになってしまいそうです。電話してタクシーを呼ぼう、と決めて駅員さんに近くのタクシーを聞こうとしたら、いつも駅に2台くらいは止まっているよ、とのこと。で改札をでてタクシーに乗っていつも艇を組み立てているあたりまで行きました。3500円なり。
ショップの前に出しておいてもらったカヤックを、出艇するスロープまで背負って行こうとしました(短い距離のためにカートを取り付けるのが面倒だったので)が、テントやウェアも入ったおそらく25キロ超えのパックを背負うことはできませんでした。それで、両手でかかえてのろのろと運ぶことに。
ちょうど外に出ていらした、スロープ脇のお店のご主人と奥様に組み立てに場所を借りる挨拶をして組み立てとパッキング開始したのが、10時45分。お昼を食べて、艇を水に浮かべ、ラダーの調整をして、12時15分に漕ぎ始めました。
雨は、止んでいて、竹生島まではほとんど無風。先日師匠に教えてもらった、距離と景色の見え方の感覚を地図と見比べて確かめたり、ブロッコリーみたいにもこもこしている新緑に癒されたり。今回は写真は撮らないことにして、時計と距離とコンパスをこまめにチェックしながら漕ぎました。
漕ぎ終わった今思うと、海况(あ、海じゃないけど)もよかったし、上陸地もわかっている所だったから、漫然と漕いでいても着けるところだったと思うし、大げさな感じがしますが、一人ということで慎重になっていました。
17時には上陸したいから、14時半に半分まで来ていなかったら、海津まで戻ることにしていました。
竹生島周辺では、私が目的地にしている長浜から出ている観光船に注意しながらあまり、島に近づきすぎないようにしました。前回立ち寄った菅浦の近くの浜に上陸して休憩することも考えましたがやめて、師匠たちが教えてくれた通り、1時間に一度くらい、手を停めて水を飲んだり行動食を食べたりして休みました。
ウェアは、レイブンパンツ(ゴアテックスでズボンと靴下が一体化しているパドリング用のパンツ)、速乾性のTシャツの上にパドリングジャケット。暑いかもしれないと思いましたが、雨が降るかもしれなかったし、風が出そうだったので着ておきました。現地までは、スキンズ(タイツ)をレギンスのように履いた上にランニング用の薄手短パンをペチコートのように履いて、その上にカジュアルなスカート(もちろん短パンは見えません)上も漕ぐときに着るTシャツの上にパーカー、といったいでたちで、組み立て終わった時点で、スカートとパーカーは防水バッグにしまってパドリング用のジャケットとパンツを着用。このパターンだと、着替える場所がなくても対応できるので、最近は山スキーの時も、漕ぎの時も、スカート+タイツのことが多くなりました。公共交通機関でアクセスするアウトドア女子におすすめです。
脱線しましたが、汗はかきましたが、暑すぎるというほどではありませんでした。
竹生島の先は漕いだことがなかったのですが、地形と陸の影の濃さで、姉川河口の位置がすぐに分かり、上陸したい地点は、その影でまだ見えない辺りだろう、とか、今見えているのはあの辺りの発電所だろうとか、地図とコンパスで判断しながら進みました。漕ぎ始めて1時間半で、竹生島まできていたので、これなら長浜まで行けるとふんで、そのまま進みました。
観光船を何回も見ました。そして、長浜を出るとかなり西にふってから竹生島にアクセスするのは、水深の関係なのだろうなと地図を見たり。。。その航跡からくる波がずいぶん離れているのに、えっ今頃という頃になっても確実にやってくるのも感じました。そして、姉川河口に近づくと、たぶん川が流れ込んでいる影響なのだと思いますが、水の流れが。近づくと強くなるというわけではなく、海の潮の離岸流のようになっているようでした。姉川河口を通り過ぎた後は、なるべく陸に沿って状況を見ながら漕ぎ、観光船の航路を横切らなくてよいことがわかったので、あとは刺し網の沖を漕ぎ進みました。姉川河口のあたりは、キャンプもできそうな感じでした。
その頃になると、長浜ロイヤルホテル(前回計画したときに、宿泊した)が目視できるようになり、豊公園のビーチのどのあたりに上陸するか見定めながら漕ぎました。
前回、豊公園からものすごく美しい夕陽が見られたので、上陸したら夕陽を見ながら撤収かなと楽しみでしたが、思ったよりも早く16時35分に上陸することができました。
組み立てている時、鳶(だと思う)が、何度かスロープ付近に降りてきていましたが、漕いでいる最中もたくさんの水鳥を見ました。飛び立つまでの助走が以外と長いんだな〜とか、2羽(つがい?)で飛んでいる種類と、V字型に隊形を作って飛ぶ種類とか、いろいろ。そして、竹生島からは鳴き声がたくさん聞こえました。パドルを動かしていると聞こえないのですが、手を休めると、いろんな種類の鳴き声が。。。いったいどれだけの鳥が棲んでるのか。
今回、日帰りを想定していたので、長浜で艇を宅配便の集荷を頼むことも考えクロネコヤマトの集荷センターの電話番号をチェックしてきていました。東京では17時までに電話すればその日に集荷に来てもらえるので、17時までに上陸できたら電話してみようと思っていたのです。
時間は大丈夫ですが、実際集荷に来てもらえるかどうかわからないので、自力で持ち帰ることも考えて、なるべく駅に近いお城の近くに上陸しました。上陸地は草地で撤収には最適です。海じゃないから、水がなくてもあまり気にならないです。撤収しながら,出艇地にフレームを留めるためのバンドを置いてきたことに気付いた他は、トラブルもなくパッキング完了し、あとは宅配に出せるかどうか。。。おそるおそ電話してみました。すると、住所を聞かれました。「長浜ロイヤルホテルの隣のお城のある公園なんですが・・・」と言うと、電話は滋賀県全体を取り扱っているセンターとのことで、近くのホテルの住所でいいからわからないか、と言われたので一旦電話を切って、ガラケーだけどググる。お城の横の歴史博物館の住所が分かったので、再度電話。そこで、県道2号線沿いの豊公園の入り口にいる、と伝えると、近くの担当から折り返し電話をする、とのこと。しばらく待つと、もう車が営業所に帰っているので無理だとのこと。それでも、場所を詳しく聞いてくれて、「近くのセブンイレブンかファミリーマートで出してください。」と言ってくれたので、いつもクロネコさんにお世話になっていて、いろいろ融通をきかせていただいているお礼とともに、コンビニだと取り扱ってもらえないことが多いことを伝えると、明日一便で取りに行くからとお店の人に言ってください、ということで電話を切りました。
コンビニで取り扱ってもらえなかった経験が何度かあり、その度に不審者扱いだったのでそんなエネルギーを使いたくないから、今日はがらがら持ち帰ろう、と駅まで歩き始めました。しかし、キャンプ道具、消費しなかった食材などが入っているがらがらとザックは重い。そして何より、ザックとカヤックカートの持ち手が干渉しあって歩きにくい。やっぱり重いけどサザンワークスの鉄製カート購入しようか、などと考えながら長浜駅までの道のりですでにめげ始めていました。列車に乗ってしまえば、あとは乗り換え2回だし、最寄り駅から5分、ですがダメもとでセブンイレブンに行ってみることにしました。最悪、ザックの方を送ればかなり楽です。都会のコンビニと違って店の回りは広かったので、カヤックのパックに入っているものを少しザックに移して、カヤックパックが160サイズになるように調整し、カートも外しました。そして店員さんに、いつもクロネコで送っていること、コンビニでは熱かってもらえないこともあるのだけど、集荷センターの方に大丈夫だと言われたこと、を伝えました。対応してくれたのが、運良く新米の男の子で、宅急便の受付手順もよくわかっていないようでした。何がウンがいいって、普通ならすぐにメジャーを持って来て、普通ならこれは160を超えているとか、秤を持って来て25キロ超えているとか、になるのですが、いっさいなしで、伝票をくれました。だから、ちょっと気がひけながらも記入して、代金を払って、ジュースを一本買ってそそくさと退散です。これで身軽になったので、温泉に入って帰ろうと、調べておいた立寄湯に。浜湖月というホテルの立寄湯が高いけれど旅情を高めてくれそうだったのですが、ちょっと前に火事になって営業していないので、リーズナブル(600円)で、公園内にある国民宿舎にしました。途中から貸切状態でゆっくり汗を流すことができました。
到着してすぐ脱衣所で出会ったおばちゃんが、私のはいていたスカートをいたく気に入ってくださり「これはどうなっているの?」「動きやすそうね」などとしばしおしゃべりして、一度出て行ったのに、もどってきてブランドやお値段をたずねられました。ここ数年お気に入りのM&kyokoのスカートです。余談ですが、ここの洋服を着て美容室に行くと、必ず褒められます。某テレマーク師匠もここのセーターやマフラーを褒めてくれました。
さっぱりして、長浜駅で職場用にお土産を買って電車に乗りました。行動食の残りを食べようかな、と思って座ると、向かい側に座っていたおじさまが、「山ですか?」と話しかけてきたので、カヤックの話をしたり、行きと帰りで別の列車に乗り石川県まで行ってきたのだけれど、琵琶湖の東と西でかかる時間が少し違うという話を聞いたりしながら米原まで。新幹線で家から持っていったビールを消費した後爆睡。
普段仕事から帰る頃には、帰宅。
終わってしまえば、別に一人で漕ぐといっても、いつも一人乗りだし、なんてことなかったですが、それは、湖が荒れてなかったし、雨にも降られなかったし、途中1時間くらい向かい風があっただけであとはほぼ無風だったし、という好条件だったからかもしれません。
使わなかったですが1、2泊はできるキャンプツ―リングのフル装備のワンウェイでできたこともいい経験になったと思います。いろんな偶然から、こういうことになりましたが、機が熟したというか、自分にとって一人漕ぎは、このタイミングだったんだろうなあとも思います。カヤックや海旅のことで自分にとっての時期、というのを感じることがよくありますが、きっとその他のことも感じていないだけでその時どきに合ったことが、ちょうどよいタイミングで起っているということなのでしょう。
楽しかったのはもちろんですが、目標にしていたことが一つ達成できて嬉しい週末でした。