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2017年2月25日 (土)

1月は往ぬる 2月は逃げる 

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自分にとってはこのトシにして初めて1から10まで手がけた、業界にとっては毎年恒例の 大仕事が一段落。大げさに言えば、国の動向に合わせた末端の政策作りともいえるか。いろいろいろいろあるけれど、一人一人の子供が自分の人生を決めてしっかり自分の足で歩んでいくことができるように、というスタンスは忘れないようにしようと改めて思う。自分の影響なんか全体でいったらホコリよりも小さなものだけど、関わっている子供にとってはその意志にかかわらず影響は大きい。だからこそ責任があるし、誤解を恐れず言えば、プロ意識も大事だ。しかも、押し付けるのでなく。おもしろいけどむずかしい。

業界臭がプンプンするタイトルになってしまいましたが、去ってしまう3月に入る前に、2月のことを記録しておこうと思います。

島の2月は、フンクサで始まります。簡単に言うと節分です。
以下、島の小学生が使う副教材本より抜粋。
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 正月と節分に決まった人が村の家々をめぐり、祝福して歩くという習わしがありました。「フンクサ」は、この古くから伝わる節分の行事で、その昔は各家を回って祝いの歌を歌い、もてなしにあずかっていました。
 いろり裏の客座に立て膝で座り、みそをつけた魚を竹ばしでつまんで「フンクサ」の唄を唱え、そのあと「福はうち、鬼の目を射て鬼は外」と言って豆まきしたといいます。
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今、フンクサができる方は70代の方お一人。誰かが後を継がないと、なくなってしまう。。。
そんなこともあるのだと思いますが、学校では毎年行っています。衝撃的ですよー、とか、笑っちゃだめですからね、とか周りからいろいろ言われていました。子供に、フンクサってどういうことするの?と尋ねても、「○○さんが、フーンクサっ、フーンクサっって言って、豆を投げる」と言うばかり。そんなわけで、当日を楽しみにしていました。
実際に目の当たりにしてみれば、笑いたくなるようなことはなく、厳かな感じの儀式で、島の魚を炙って(イワシと同じような意味)、人々の健康と長寿、大漁、豊作を願う、祝詞のようなものを唱えて、最後に豆まきをする、といった行事でした。
私は、職場の伝統文化担当なので、この行事の進行役をしていました。新しく来て、何もわからない人がこういう役回りになるってどうなのか、とは思いますが、それはおいといて、事前情報がまったくないまま、フンクサが始まると、「8センセ、恵方の窓を開けてください」と言われ。。。ちょうど、子供たちの座る真正面の窓を開けました。が、この日は、荒れ荒れの日で、下が外に向かって斜めに開くタイプの窓が、強風にあおられてすぐに閉まってしまいます。そこで、何かストッパーを、と思い、その場にあった、ホワイトボードのクリーナーをはさんでみたところ、強風で煽られたタイミングで、そのまま下へ落下。もう一つのもう少し大きいクリーナーを再度ストッパーにしようとするも、また落下。会場は、傾斜地にあり、ほぼ、3階の高さで、子供たちの前は、全面がガラス張り。厳かに祝詞が流れフンクサが進む中、子供からは落下するクリーナーが2回とも丸見えでした。さすがに島の子供たちは、誰も笑ったり動じたりしませんでしたが、大人は何人かニヤニヤしていたようです。私は必死に手で窓を押さえていました。後から、聞いたところ、昨年までの恵方は、今年のように窓を開ける必要がなかったそうで、誰もが予想しなかったことだったようです。
この行事の後、子供達全員が感想やお礼を書いてフンクサをやってくださった方に届けました。小学生男子は、「僕が大人になったら、フンクサができるようになりたい」と書き、もうすぐ島を旅立つ中3は、「受験を控え、この1年健康に過ごすことができたのも、フンクサのおかげだった。島でのフンクサは今年で最後だが、今年もがんばりたい」というようなことを書いていて、なんだかジーンと心が熱くなりました。
フンクサを行った方は、元村長にして、今年歌手デビュー。月に一度、郷土芸能保存会の会合でお会いするのですが、レコーディングをした後、しきりに、島踊りは、唄い手を育てていかなければすたれてしまう。そして、島唄も、譜面に起こしたりして、正確な音程を伝えていかないとだめだ、とおっしゃっています。楽譜で表せないような、味は薄れてしまうかもしれませんが、譜面があると、わたしのように、外から来て、継承の手伝いをする者にとっては、とっつきやすくなると思います。

2月は、また別の島の方に教えてもらって子供と一緒に昨年末から作っていた、為朝凧を揚げました。いい風が吹いている日だったので、よく上がりました。大人は、竹を割ってひごを作るところからの作業で、けっこう難しかったです。最後に凧にしなりをつけるために張った糸に、ツルっとした丈夫な紙の羽のようなものをつけるのですが、これは、強風ではためいて、ビーッと音が鳴らすためのものです。そして、凧の足は、直径7ミリくらいの紐(ロープ)なのです。その長さ、7メートルくらい。私が知っているような、和紙の数十センチの足ではまたたくまにちぎれてしまい、凧のコントロールはできないのだと思います。

たった一人の8組とペアになってずいぶん長い時間、ヘリポートで楽しむことができました。(写真はその日のものです)
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